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絶望ということは、必ずしも死を選ませはしない。絶望の極死を選むということは、まだ、どこかに、それを敢行する意力が残っているときの事である。真の絶望というものは、ただ、人を痴呆 状態に置く。脱力した状態のままで、ただ何となく口に希望らしいものを譫言 のようにいわせるだけだ。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:9% 作品を確認(青空文庫)
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絶望・希望がない
自殺する
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前後の文章を含んだ引用
......いた。かの女は、働くことに無力な一人の病身で内気な稚 ない母と、そのみどり子の餓 えるのを、誰もかまって呉 れない世の中のあまりのひどさ、みじめさに、呆 れ果てた。――絶望ということは、必ずしも死を選ませはしない。絶望の極死を選むということは、まだ、どこかに、それを敢行する意力が残っているときの事である。真の絶望というものは、ただ、人を痴呆 状態に置く。脱力した状態のままで、ただ何となく口に希望らしいものを譫言 のようにいわせるだけだ。彼女が当時口にした巴里という言葉は、ほんの譫言に過ぎなかった。しかし譫言にもせよ、巴里と口唱するからには、たしかに、よいところとは思っていたに違いなかった。或は......
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絶望・希望がないの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
絶望が、心の中にぎざぎざと鋸(のこぎり)のような歯を立てる。
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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自殺するの表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
庄司が死んだ日の朝、庄司の部屋にいた。 カーテン越しにぎらぎらと 射してくる、夏の光が見せた夢だった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
自殺は、まるで簡単な事務のように、毎日、新聞の片隅でなし遂げられてゆくのでした。
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
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「気分が晴れない・落ち込む」カテゴリからランダム5
足を進めることを、生きてゆくことを心底投げ出したかった。きっと明日が来て、あさってが来て、そのうち来週がやってきてしまうに違いない。それをこれほど面倒だと思ったことはない。きっとその時も自分が悲しい暗い気分の中を生きているだろう、そのことが心からいやだった。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
一冊の古びたペーパーバック「N・P」と、バインダーと、ロレックスのずっしり重い時計。 これらが、庄司の形見だった。 彼は4年も前に睡眠薬自殺をしたのだ。そしてこれらを手にしたときから、いつも私の心のどこかにこの品々があった。 たとえば昼間、私が働いている大学の研究室で。ふと耳をすますと遠くでサイレンの音が町を駆けてゆくのが聞こえたりするとき、うちの近くかな、と思う、そんなとき必ずこれらが心に浮かぶ。それ位、重い品々だ。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
人間は死ぬと、一時間に摂氏一度の割合で体温は下降する
鈴木 光司 / らせん amazon
死の影に怖れていたのだ。手術のあとに死が自分を捉えにくると思っていた。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
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