収穫したものを台所へ運んで、土をよく落とし、水洗いしていると、個性のある新芽の温かさがわかっていじらしい

とれたての山菜にあるホロ苦さはまことに気品高いもので、だらけたり、ほころびたりした舌を一滴の清流のようにひきしめて洗ってくれる。

山菜は足で食べるのである。やっぱり体を山まで運んでやらないと本当にうまいものは食べられない。

つくしははかまを取り醤油で煮ると、夕方の酒の肴になる

ほろ苦く、上品で、なかなかうまい（たんぽぽ）

ゆがいた三つ葉の苦味が全体の味を引き締める

とってきたゼンマイは大鍋にわかした湯をくぐらせたあと、ムシロにひろげて天日に干す。ゼンマイは芽をだして何日もたたないうちにトウがたってしまうから夜討ち朝駈けで採集し、勝負をつけてしまわなければならない。

ミツバの味噌汁は香りがいい

少し苦いが鮮烈な後味

この歯触りだ。さっくりしゃくしゃく、まさに快感そのもの。