空には、月が顔を出していた。 どこかで、よよと、泣いている女の声を、上から傷ましがっているように。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:100% 作品を確認(青空文庫)
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月
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前後の文章を含んだ引用
......は、この辺がよろしいのう。今は、満目の雪でござるが、春ともなれば、紫雲英 、菜の花、里の子供の遊び場にもようござる」 と、いった。 「え?」 と、怪しんで問い返すと、月杖は、まだ今夜の運座の句作が頭にあったのか、少し顔を上げて、
遊ばばや子とも鬼とも紫雲英草
と呟いた。 吹雪は、まだ、二人の姿を消してしまうほど荒れていたが、空には、月が顔を出していた。 どこかで、よよと、泣いている女の声を、上から傷ましがっているように。ここに意味を表示
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空には、月が顔を出していた。 どこかで、よよと、泣いている女の声を、上から傷ましがっているように。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
日の丸のように大きな月
林 芙美子 / 耳輪のついた馬「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
(切り損って薄切りの半月になった大根のような昼の月)「あの月、大根みたいじゃない? 切り損った薄切りの大根」
向田邦子 / 大根の月「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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熟れた杏のような太陽が山の端にかかる
獅子 文六 / てんやわんや amazon
微かな月光が城下の街を、墨絵のように浮かばせる
菊池 寛 / 忠直卿行状記 amazon
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まん丸の大きな月が出て、夜の山道を行く俺たちを守るように照らした。懐中電灯は必要なかった。月光を受け、木の葉が銀色に輝いていた。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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