震えを帯びていった声は存分に涙にぬれているように響いた。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:15% 作品を確認(青空文庫)
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涙声・泣き出しそうな声
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前後の文章を含んだ引用
......をしてわれ知らず葉子のほうにいざり寄った。葉子はすかさず豹 のようになめらかに身を起こしていち早くもしっかり古藤のさし出す手を握っていた。そして、 「義一さん」 と震えを帯びていった声は存分に涙にぬれているように響いた。古藤は声をわななかして、 「木村はそんな人間じゃありませんよ」 とだけいって黙ってしまった。 だめだったと葉子はその途端に思った。葉子の心持ちと古藤の心持ちとはち......
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涙声・泣き出しそうな声の表現・描写・類語(泣くのカテゴリ)の一覧 ランダム5
涙を声にしたように葉子は思わず呼んだ。
有島武郎 / 或る女
涙を気取 らせまいとするように、しかし打ち沈んだ調子でこういい出した。
有島武郎 / 或る女
涙にしめった、女らしい潤いの滲むような声
山本 周五郎 / やぶからし amazon
声はいくじなくも泣かんばかりに震えていた。
有島武郎 / 或る女
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「泣く」カテゴリからランダム5
涙もろい一面を見せてハンカチで目頭を押さえた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
涙に解けて漂うような目
有島武郎 / 或る女
悠人は、胸の 痙攣 を 堪えながら、赤らんだ目を何度も拭った。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
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