私は体を延ばして走る船の上から波に手をひたしていた。手を押しやるようにして波が白くはじけている。五本の指に藻 がもつれた糸のようにからまって来る。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:47% 作品を確認(青空文庫)
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船・ボート
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前後の文章を含んだ引用
......についたら半分高松へ送ってやりましょう。東京へかえったら、氷屋もいいな、せめて暑い日盛りを、ウロウロと商売をさがして歩かないように、この暮は楽に暮したいものだ。私は体を延ばして走る船の上から波に手をひたしていた。手を押しやるようにして波が白くはじけている。五本の指に藻 がもつれた糸のようにからまって来る。 「こんどのストライキは、えれえ短かかったなあ――」 「ほんまに、どっちも不景気だけんな。」 船員達が、ガラス窓を拭きながら話している。私はもう一度ふりかえって、青......
単語の意味
体(からだ)
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
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ペンキの剥 げた帆船が、へさきの牛の鼻穴のようなところから、錨 の鎖を下していた
小林多喜二 / 蟹工船
舟は静かに水の上を 滑った。
志賀 直哉 / 焚火「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
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