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この奇怪な二つの矛盾が葉子の心の中には平気で両立しようとしていた。葉子は眼前の境界でその二つの矛盾を割合に困難もなく使い分ける不思議な心の広さを持っていた。《…略…》まるで二人 の人が一つの肉体に宿っているかと自分ながら疑うような事もあった。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:8% 作品を確認(青空文庫)
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二重人格
豹変・がらりと変わる
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前後の文章を含んだ引用
......する以上は命と取りかえっこをするくらいに愛せずにはいられない。そうした衝動が自分でもどうする事もできない強い感情になって、葉子の心を本能的に煽 ぎ立てるのだった。この奇怪な二つの矛盾が葉子の心の中には平気で両立しようとしていた。葉子は眼前の境界でその二つの矛盾を割合に困難もなく使い分ける不思議な心の広さを持っていた。ある時には極端に涙もろく、ある時には極端に残虐だった。まるで二人 の人が一つの肉体に宿っているかと自分ながら疑うような事もあった。それが時にはいまいましかった、時には誇らしくもあった。 「定 ちゃま。ようこざいましたね、ママちゃんが早くお帰りになって。お立ちになってからでもお聞き分けよくママの......
単語の意味
眼前(がんぜん)
肉体(にくたい)
眼前・・・目の前。その人が見ているすぐ目のところ。目前(もくぜん)。
肉体・・・肉から構成されている体。生きている人間の体。生身の体。
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有島武郎 / 或る女
気がつけば、いつの間にかぱたっと変わっていたりする。きっと変わる直前まで水面下で準備は進んでいるんだろうが、変わるときはあっけないものです、紙を裏返すように簡単だ。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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成長願望のように体をくねくね動かす
干刈 あがた / ウホッホ探険隊 amazon
私は枯葉を指先で、逃げられまいとするように、とりおさえた。朝の日射しの中で枯葉は、身をよじり、もがいた。いけない。行ってはいけない。私は、別の手の指先で、もがく枯葉を、なだめるように愛撫した。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
地響きがして、西北七八百メートル辺りのところに黒煙の柱が立ちのぼった
井伏鱒二 / 黒い雨 amazon
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路傍の人に対するようなよそよそしさ
有島武郎 / 或る女
(生き甲斐)(学生時代、)彼女は強風に吹き飛ばされそうになっている人が柱にしがみつくみたいに、その競技にしがみついて生きた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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