何処かのパイプからスティムがもれているらしく、シー、シ――ン、シ――ンという鉄瓶 のたぎるような、柔かい音が絶えずしていた。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:50% 作品を確認(青空文庫)
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蒸気機関
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前後の文章を含んだ引用
......、皆だまった。 「こ、こ、殺される前に、こっちから殺してやるんだ」どもりがブッきら棒に投げつけた。 トブーン、ドブーンとゆるく腹 に波が当っている。上甲板の方で、何処かのパイプからスティムがもれているらしく、シー、シ――ン、シ――ンという鉄瓶 のたぎるような、柔かい音が絶えずしていた。 寝る前に、漁夫達は垢 でスルメのようにガバガバになったメリヤスやネルのシャツを脱いで、ストーヴの上に広げた。囲んでいるもの達が、炬燵 のように各その端をもって......
単語の意味
鉄瓶(てつびん)
鉄瓶・・・お湯を沸かすための鉄製の容器。風情のあるやかんのようなもの。
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蒸気機関の表現・描写・類語(乗り物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蒸気をシュッシュッと吐いて
林芙美子 / 新版 放浪記
一種生臭 いような暖かい蒸気
有島武郎 / 或る女
腹の底をゆすぶるように、遠くで蒸汽の音が鳴っている。
林芙美子 / 新版 放浪記
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「乗り物」カテゴリからランダム5
ハンドルを切るたびに、ダッシュボードに置かれた十円玉が右に左に移動した。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
(一人乗りの平底舟は、)笹の葉のような軽快なかたち
山本 周五郎 / 青べか物語 amazon
ポンポン船が通り過ぎていき、やがて押し寄せて来た波が、舟の家を大きく揺すった。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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