邦彦はそれ（女の唇）を自分の前歯で軽く 噛んだ。

唇に小粒（こつぶ）な白い歯をもって行く。薫は黙って吸わせたままに

幸福と虚無の不思議な二重感覚を与えるあの忘我的な接吻に酔いながら抱きあって

つがいの小鳥たちのように神経質に短くキスをしたりする。

接吻を、春雨のように頭から浴びてみたい

その女子大学生を、彼は、自分の前方にかかっている虹のように空想した。

（ゲームで）指を握り返したりした。そんな時、 他 の人の場合では、感じない鋭敏さを以て、その握り方の強さを彼は計った。

（女が受動的なセックス）僕が抱くと彼女はそれに温かく応えてくれたけど、決して自分の方から要求したり、積極的に何かをしたりということはなかった。僕に抱かれているとき、キキは体の力を抜いて、とてもリラックスしてそれを楽しんでいるように僕には思えた。

海辺の朝らしい爽やかな情欲

ヨシちゃんの表情には、あきらかに誰にも汚されていない処女のにおいがしていました。