ブリキをへこませるような乾いた音
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:63% 作品を確認(amazon)
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乾いた音
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......。それが余計にかわいくて、ミコトは声を立てて笑う。襞の間に溜っていた体液の滓が、干からびてポロポロと落ちてゆく。羊水に重く響いていたはずの、わたし以外の鼓動も、ブリキをへこませるような乾いた音に変ってゆく。わたしの内側は水分と厚みを失い、次第にわたしから剥れてゆく。「お母さんは?」 子供はあやふやな方向を指差す。眼鏡がずり落ちる。ミコトはそれをさっと......
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ブリキをへこませるような乾いた音
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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