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世の中は私があれこれ考えているから動いているのではなく、おおきな 渦巻きのなかに私もこのひとも誰も彼もがいて、何も考えたり苦しんだりしなくてもただどんどん流れては正しい位置に注ぎ込まれていくのかもしれないと思った。 自分が世界の中心だと思っていた世界からわずかに一歩をはずした瞬間だった。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:93% 作品を確認(amazon)
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(心理的に)衝撃を受ける
ちっぽけな人間・非力な人間
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前後の文章を含んだ引用
......だよ。」 彼は言った。「わかったの?」 私は笑った。「わかるよ。普通の回数ではないってことが。はじめのときにわかったよ。」 彼は言った。 私は本当に言葉を失い、世の中は私があれこれ考えているから動いているのではなく、おおきな渦巻きのなかに私もこのひとも誰も彼もがいて、何も考えたり苦しんだりしなくてもただどんどん流れては正しい位置に注ぎ込まれていくのかもしれないと思った。 自分が世界の中心だと思っていた世界からわずかに一歩をはずした瞬間だった。 それは歓喜でも、失望でもない感覚で、ただ今まで余分な筋肉を使っていたのをゆるめたような妙にこころもとない気分だった。「それなら、ここに住むわよ、いいの?」 私......
単語の意味
渦巻く(うずまく)
渦巻く・・・1.水や煙がグルグルと回って渦になる。ある感情が心の中に渦のようにグルグルと存在する。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
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(心理的に)衝撃を受けるの表現・描写・類語(驚きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
不意に 脾腹 を突かれたような気がした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
大きなショックを受けると、転げ落ちてきた大きな岩石が胸にのしかかる。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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ちっぽけな人間・非力な人間の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
人間なんて本当の処は、桶の底のウジのようにうごめき暮して居る惨めな生物に過ぎないんですな。
岡本 かの子 / 鶴は病みき amazon
彼は自分が枯葉のように北風に吹き飛ばされてしまうのではないかと地面を踏みしめた。すると、今度は行き倒れた乞食のように、一歩もその場を動くことのできないような力ない物体になり果てたような気がして来た。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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「心」の言葉を含む驚きの表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
不意だったから、どんと心臓がバウンドして、痛いくらいだった。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
稲妻のように彼女の心に響いた
有島武郎 / 或る女
今にも破裂するように心臓が鼓動した。
有島武郎 / 或る女
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「驚き」カテゴリからランダム5
不意に驚ろいた。
梶井基次郎 / 交尾
毀れた泥人形のように、つやを失った(頬)
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
「感動」カテゴリからランダム5
瞳 は夢見るように見開かれ
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
拍手の音がまるで大きな油鍋の中に水でも零したようにぱちぱちと起った。
小杉 天外 / 初すがた amazon
「人の印象」カテゴリからランダム5
先輩、いまの彼氏ができてから、めっちゃ輝いてたもんね。客も幸せオーラに当てられて、試着しまくり、服買いまくり。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
真っ黒に人影が、かたまっていた。
吉川英治 / 野槌の百
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