(鏡の中の自分)我々は顔を見合わせてため息をついた。我々は違う世界に住んで、同じようなことを考えている。まるで「ダック・スープ」のグルーチョ・マルクスとハーポ・マルクスみたいに。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:91% 作品を確認(amazon)
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鏡・ミラー
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前後の文章を含んだ引用
......いるようなやわらかい雪だった。 僕は台所に新しい缶ビールを取りに行った。階段の前を通る時に鏡が見えた。もう一人の僕もやはり新しいビールを取りに行くところだった。我々は顔を見合わせてため息をついた。我々は違う世界に住んで、同じようなことを考えている。まるで「ダック・スープ」のグルーチョ・マルクスとハーポ・マルクスみたいに。 僕の後ろには居間が映っていた。あるいは彼の向うには居間があった。僕の後ろの居間と彼の向うの居間は同じ居間だった。ソファーもカーペットも時計も絵も本棚も、何もか......
単語の意味
溜め息・溜息・ため息(ためいき)
溜め息・溜息・ため息・・・気苦労や失望、また、感動したときや緊張がとけたときに、思わず出る大きな息。大息(おおいき・たいそく)。長息(ちょうそく)。
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鏡・ミラーの表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
百貨店の大きくひらかれた一階の、高級な、手入れの行き届いた光のなかの一点の曇りもない大きな鏡のなかで自分の顔を映せば、色々な感情は奥へ奥へとひきのばされて女自身にもつかみどころのないものに変化して、それをまんべんなく見つめて、そこからしか見えないものを、隅々まで管理しつづける
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
水銀に罅 の入った古い掛鏡
宮本百合子 / 伸子
切り取られた鏡のなかで、ぼんやりといつまでも浮かんでいるようだった。
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
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「道具・家具」カテゴリからランダム5
古い壁にビラが白々と死の装束に似て貼りついている
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
裸体像で、周囲が白紙になっているために空間に浮いているように見える。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
舞踏靴のような華奢な靴
野上 弥生子 / 真知子 (1966年) amazon
(化粧品売り場の鏡)貴金属を照らす用のきらきらしいライトの光が頭上から一直線に注いでいるので、楕円形の鏡のなかの女の顔はどの鏡で見るよりもロマンティックな具合に見える。手をおいたカウンターのなかからも薄水色の光がまあるく膨らんでいて、まっすぐな光が上からまあるい光を刺すこの具合がどうも数字的だわ、と感心しながら、そのなかで浮かびあがる女の鼻は少しチャーミングであるようにも見える。
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
決まってカラオケが設置されていて、ビルの中身はどこでもわんわんわんとマイクの音の余韻の響き
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
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