何処からともなく蕎麦 のだしを煮出している匂いがする。胃袋がぶるぶる顫 えて仕方がない。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:98% 作品を確認(青空文庫)
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空腹・餓え・お腹が鳴る
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前後の文章を含んだ引用
......豆ローソクのお光りをあげる。蛙 が啼いている。炭がないので、近所の炭屋で一山二十銭の炭を買って来て飯を焚く。隣りの駄菓子屋の二階の学生が大正琴 をかきならしている。何処からともなく蕎麦 のだしを煮出している匂いがする。胃袋がぶるぶる顫 えて仕方がない。この世の中に奇蹟 はないのだ。皇族に生れて来なかったのが身のあやまり……。私は総理大臣にラブレターを出してみようかと思う。夜、ゴオゴリの鼻を読む。鼻が外套 を着てさ......
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身を焼くような渇きと飢えとが、烈しく身に迫って来る
菊池 寛 / 俊寛 amazon
のどのあたりが泣くような空腹感に押しつぶされる
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
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「あの犬さ」と声がする。「あれ、野良犬かなあ」 「だよね。汚かったし」言いながらもスーツ姿の女性たちは先へ急いでいく。 「犬か」と豊田は呟いた。犬は嫌いじゃなかった。ただ、女性たちの会話の「犬」とはまさに自分のことを言っていたのではないか、そんな気がした。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
(尿意を我慢)密着した太腿のぬくもりが、次第に下腹部に吸い寄せられ、こぶし程の塊になってゆく。それは鈍い重苦しさを押しつけてくる。《…略…》下腹部の筋肉は尿意に満ちている。《…略…》どんどん重さを増してくる尿意を、きつくきつく締めつけることしかできない。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
古井戸をこわごわのぞく格好で、自分の本心をのぞく
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
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