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懐しい草の匂いが鼻をついた。ずっと昔のピクニックの匂いだ。五月の風はそのように時の彼方から吹き込んできた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
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花、植物のにおい
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......だ。そのために僕は髭を剃り、半年振りにネクタイをしめ、新しいコードヴァンの靴をおろした。 今にも錆びつきそうなもの哀しい二両編成の郊外電車を下りると、まず最初に懐しい草の匂いが鼻をついた。ずっと昔のピクニックの匂いだ。五月の風はそのように時の彼方から吹き込んできた。顔を上げ耳を澄ませば、雲雀の声さえも聞こえる。 僕は長いあくびをしてから駅のベンチに腰を下ろし、うんざりした気分で煙草を一本吸った。朝早くアパートを出た時の新鮮......
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花、植物のにおいの表現・描写・類語(におい・香りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
小さいすてきなおうちの玄関に立つと、プルメリアの花の香りでめまいがした。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
福寿草があちこちに黄色い毬(まり)のように群がって咲く
原田 康子 / 挽歌 amazon
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立ち 停 まって改めて吸い込んでみたくなるような芳香
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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まだ区画整理されていない部分は風に運ばれた雑草にぎっしりと覆われていた。驚くばかりの素速さで雑草は新しい大地に根づいていた。それはアスファルトの道路に沿って人為的に移植された樹々や芝生を小馬鹿にするように、いたるところにしのびこもうとしていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
樹々の葉が夕風に爽やかな音を立てて鳴る
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
岬の村から見る一本松は盆栽の木のように小さく見えた
壺井 栄 / 二十四の瞳 amazon
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