周りを取り巻く空気がまるでうねりを持っているように重い。景色がゆがんで見える。ちょうどやかんで湯を沸かしている蒸気の向こうにあるように、空や木々や地面が揺れる。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:88% 作品を確認(amazon)
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目まい
ぼんやり見える
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前後の文章を含んだ引用
......ない、ジャングルの連続だった。 ぼんやり眺めていたが、気づくと、心身ともにおかしな状態になっていた。 それはまさにbecome、という感じだった。 胸が苦しい。周りを取り巻く空気がまるでうねりを持っているように重い。景色がゆがんで見える。ちょうどやかんで湯を沸かしている蒸気の向こうにあるように、空や木々や地面が揺れる。 車に酔ったのかな、と思って深呼吸をしたが、治らなかった。自分の肉体と精神の輪郭が薄くなっていくような感じがした。しかしそれにともなう圧迫感がいいしれないほどヘ......
単語の意味
景色(けしき)
うねり(うねり)
景色・・・風景。眺め。とくに、自然の眺め。
うねり・・・うねること。
1.大きく緩やかに曲がりくねること。大きく緩やかに上がったり下がったりすること。
2.1の状態が続くこと。1の状態がとどめ難い勢いで攻めてくること。「感情のうねり」「業界再編のうねりの中で」
1.大きく緩やかに曲がりくねること。大きく緩やかに上がったり下がったりすること。
2.1の状態が続くこと。1の状態がとどめ難い勢いで攻めてくること。「感情のうねり」「業界再編のうねりの中で」
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地面はなにか玻璃 を張ったような透明で、自分は軽い眩暈 を感じる。
梶井基次郎 / 泥濘
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空気がいやにかすんでいた。まるでどこかからたき火の煙がまぎれこんでいるみたいにね。ぼんやりと白く濁っているんだ。だから遠くの方はよく見えない。でもじっと目をこらしていると、空気は少しずつ透明になっていった。本当に透明になっていったのか、あるいはその不透明さに僕の目が慣れてきたのか、そのどちらなのかは僕にはわからない。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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文学趣味のある女秘書のような目で観察する
後藤 明生 / 関係 amazon
二人の話の遣 り取りを眼を大きく見開いてピンポンの球の行き交いのように注意して
岡本かの子 / 雛妓
このみすぼらしい女に、番頭は目を細めて値ぶみを始めたのか、ジロジロ私の様子を見ている。
林芙美子 / 新版 放浪記
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