道に沿うた公園の樹木は皆枝や葉を黒ませていた。のみならずどれも一本ごとに丁度僕等人間のように前や後ろを具 えていた。
芥川竜之介 / 歯車 ページ位置:26% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
樹木・木々
枝
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......こう云う祈祷 もこの瞬間にはおのずから僕の脣 にのぼらない訣には行かなかった。 僕はこのホテルの外へ出ると、青ぞらの映った雪解けの道をせっせと姉の家へ歩いて行った。道に沿うた公園の樹木は皆枝や葉を黒ませていた。のみならずどれも一本ごとに丁度僕等人間のように前や後ろを具 えていた。それもまた僕には不快よりも恐怖に近いものを運んで来た。僕はダンテの地獄の中にある、樹木になった魂を思い出し、ビルディングばかり並んでいる電車線路の向うを歩くこと......
単語の意味
沿う・添う・副う(そう)
沿う・添う・副う・・・1.(「沿う」と書いて)長い線状のものの近くを離れずに平行に進む。つたっていく。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
ここに意味を表示
樹木・木々の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
日光を思う存分浴びているその杉は、尋恵の眼の高さあたりから濃密に深緑の葉を繁らせ、十数メートル上方に向かって細長いシルエットを作っている。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
巨樹の根が土から現れて、太い真っ黒な血管のように遠くまでうねりひろがる
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
地平線のあたりに、木立の群れが不規則な間隔を置いて紫色に近い影を落とす
堀 辰雄 / 菜穂子―他五編 amazon
このカテゴリを全部見る
枝の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(サルスベリの枝)曲がりくねった百の手を天に差し出す
福永 武彦 / 草の花 amazon
鉄色にさびた街路樹の梢 に雀の飛んでいる
林芙美子 / 新版 放浪記
このカテゴリを全部見る
「植物」カテゴリからランダム5
枝が激しく揺れながら、箒(ほうき)のように水面を撫でては起き上がろうとする
伊藤 整 / 青春 (1960年) amazon
同じカテゴリの表現一覧
植物 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ