地獄には誰でも知っている通り、剣 の山や血の池の外にも、焦熱地獄という焔 の谷や極寒 地獄という氷の海が、真暗な空の下に並んでいます。
芥川龍之介 / 杜子春 ページ位置:76% 作品を確認(青空文庫)
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地獄
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前後の文章を含んだ引用
......せん。それを見た閻魔大王は、すぐに鬼どもの方を向いて、荒々しく何か言いつけると、鬼どもは一度に畏 って、忽 ち杜子春を引き立てながら、森羅殿の空へ舞い上りました。 地獄には誰でも知っている通り、剣 の山や血の池の外にも、焦熱地獄という焔 の谷や極寒 地獄という氷の海が、真暗な空の下に並んでいます。鬼どもはそういう地獄の中へ、代る代る杜子春を抛 りこみました。ですから杜子春は無残にも、剣に胸を貫かれるやら、焔に顔を焼かれるやら、舌を抜かれるやら、皮を剥 がれる......
単語の意味
極寒(ごっかん・ごくかん)
剣(けん・つるぎ)
極寒・・・きわめて寒いこと。また、冬のきびしい寒さのころ。
剣・・・刀剣のうち諸刃・両刃(もろは[=両側に刃がある])のもの。片刃のものは「刀(かたな)」という。
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ゾッとするほど暗く、憂いに満ちた瞳だった。 とんでもないものを見てきた。悠木はそう直感した。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
(ぱっとしない日常風景)いつもどおりのぱっとしない住宅地の、ぱっとしない風景がそこに広がっているだけだ。歪んだ枝振りの街路樹は灰色のほこりをかぶり、ガードレールには多くのへこみがつき、錆を浮かべた自転車が何台か道ばたに放置されていた。「飲酒運転は人生の破滅への一方通行」という警察の標語が塀に掲げてあった(警察には標語をこしらえる専門の部署があるのだろうか?)。意地の悪そうな老人が、頭の悪そうな雑種犬を散歩させていた。頭の悪そうな女が、醜い軽自動車を運転していた。醜い電柱が、空中に意地悪く電線を張り巡らせていた。世界とは、「悲惨であること」と「喜びが欠如していること」との間のどこかに位置を定め、それぞれの形状を帯びていく小世界の、限りのない集積によって成り立っているのだという事実を、窓の外のその風景は示唆していた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
身震いのするような光景
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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