カステラ風の茶色い焦げ目。表面の焦げ目が終わって二枚合わさった部分の黄色くて厚いふち
東海林さだお / 鯛ヤキの丸かじり 作品を確認(amazon)
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どら焼き
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カステラ風の茶色い焦げ目。表面の焦げ目が終わって二枚合わさった部分の黄色くて厚いふち
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ショーケースの中のサンプルをよく見ると、純正のかき氷とは似ても似つかぬゴテゴテ厚化粧のフラッペ風のものが、〝かき氷〟として並べられている。《…略…》真ん中あたりは確かにかき氷だが、その周辺にクリーム、てっぺんにアイスクリームをのせ、オレンジやスイカやパイナップルの切れはしを飾り、かけてあるツユもブルーベリーあり、ペパーミントありという、変わり果てた姿になってしまっているのである。情けない。 昔好きだった女性に久しぶりに会ったら、夜の女になっていた、というような感慨を覚える。(夜の女は古いか) 昔のかき氷は清潔だった。 安物のカクテルグラス風の容器に、秀峰富士を思わせる形にかき氷が盛られ、その上にイチゴなら赤、メロンなら緑、レモンなら黄色と、ただ一色が白い氷の頂上ににじんでいた。 富士の脇腹には、へこみの少ない四角っぽい〝シャジ〟が突っこまれてあった。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 amazon
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