自分のように一生という永い時間をかけて、世間という広い広い部屋で、筆を小刀 に心身を切りこま裂いて見せ、それで真実が届くやら、届かぬやら判りもしない、得体の知れない焦立たしいなやみの種を持つものは、割の悪い運命に生れついたものである。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:38% 作品を確認(青空文庫)
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......なくなった底から息を吸い上げて来ようとする、時折の娘の命の休息所なのではあるまいか。 だが、ときどきにもせよ、そういう一室に閉じ籠れるのは羨 しい。寧 ろ嫉 ましい。自分のように一生という永い時間をかけて、世間という広い広い部屋で、筆を小刀 に心身を切りこま裂いて見せ、それで真実が届くやら、届かぬやら判りもしない、得体の知れない焦立たしいなやみの種を持つものは、割の悪い運命に生れついたものである。 「で、今朝お嬢さんは?」 と私が云うと、やまは俄 に思いついたように、 「ああそうでしたっけ、お嬢さんが今日あなたがいらしったら、お二階へおいで願うように申し上げて......
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作家は着実に書き続けることによってしか成長しない。毛虫が葉っぱを食べるのを休まないのと同じだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
(詩人)詩は印刷機械のようにいくつでも書ける。只、むやみに書けると云うだけだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
芝居の仕事も、脚本の段階までは頭脳の労働であるが、稽古がはじまれば、まるで、工事現場の監督のようなものである。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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蟻が、自分たちの道を決して見失わず、それからそれと、仲間の領分をひろげるように、家から家、村から町を縫いつないで、細かな商売を積み重ねる薬売り
永井竜男 / 風ふたたび「永井龍男全集 5 長篇小説 1」に収録 amazon
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