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夏のたそがれ前の斜陽が小学校の板壁に当って、その屈折した光線が、この世のものならずフォーカスされて窓より入り、微妙な明るさに部屋中を充 たした頃から、雛妓は何となく夢幻の浸蝕を感じた
岡本かの子 / 雛妓 ページ位置:87% 作品を確認(青空文庫)
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夕日・西日
室内に差し込む光
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前後の文章を含んだ引用
......二人きりで揺蕩 と漂い歩く気持をさせられていた。 雛妓ははじめ商売女の得意とも義務ともつかない、しらばくれた態度で姿かたちをわたくしの見検めるままに曝 していたが、夏のたそがれ前の斜陽が小学校の板壁に当って、その屈折した光線が、この世のものならずフォーカスされて窓より入り、微妙な明るさに部屋中を充 たした頃から、雛妓は何となく夢幻の浸蝕を感じたらしく、態度にもだんだん鯱張 った意識を抜いて来て、持って生れた女の便りなさを現して来た。眼はうつろに斜め上方を見ながら謡うような小声で呟 き出した。 「奥さまのかの......
単語の意味
光線(こうせん)
斜陽(しゃよう)
夢幻(むげん)
光線・・・光のすじ。光の線。差してくる光。
斜陽・・・1.夕日。夕方、西に傾いた太陽。斜めに差す夕日の光。
2.勢いのあったものが衰えること。衰退。
2.勢いのあったものが衰えること。衰退。
夢幻・・・夢(ゆめ)と幻(まぼろし)。実体がなく、儚(はかな)いことのたとえ。
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陰鬱な色あいの太陽が三分の一ばかり山に沈んでいた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
見る間に、太陽はぶるぶる慄(ふる)えながら水平線に食われていった。
横光 利一 / 花園の思想 amazon
夕陽がうるんだ赤い硝子球のように海に沈んでいく
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
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室内に差し込む光の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
暗くすると、どこの窓からかよその光が反射で薄明かりを起こしている
幸田文 / 流れる amazon
窓は、何も遮 るものが無いので、青い青い朝の空の光りが、程近い浪の音と一所に、洪水のように眩 しく流れ込んでいる。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
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未だほの闇 いのに家を出る。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
藍色の幕のような深い空
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
海の断面のような月夜
横光 利一 / 花園の思想 amazon
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磨り硝子の塡まった木のドア
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
「出入厳禁……医学部長」と筆太に書いた白紙を貼り附けた茶褐色の扉
夢野久作 / ドグラ・マグラ
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朝陽が無数の小石の陰影を際立たせる。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
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