インドネシアのご飯は日本と違ってぽろぽろのお米だから、箸の上に乗せて口に運ぶにはいささか難儀する

炊きたての真っ白な飯が、ぱっと蓋を取った下から煖かそうな湯気を吐きながら黒い器に盛り上って、一と粒一と粒真珠のようにかがやいている

真っ白に透き通っていて、さわやかで全く濁りのない味

風船のようにぱんぱんにふくらんだお米から漂う湯気

すっきりとして甘い！この粘り気、この透明度、こんな飯食べたことがない！！

鮭を適当な大きさにほぐし一口分を手前に寄せ、残りを向こう側に寄せ、お茶とご飯のバランスも整える。「あ～」と言いながら暫くはご飯とお茶と塩鮭の咀嚼に専念。流域のあちこちで米粒の味がし、塩鮭の一かけの味がし、お茶の味がし、一つ一つの味が味わえて、そして総合的な味も味わう。

江戸前ずしの代名詞は何かと聞かれたらコハダと断言する職人は多い。瑞々しく輝くその姿は数ある寿司ダネの中でも特に美しい。

カレーは香辛料のオーケストラ、だから飽きない

しょきしょきと淋しい音を立てて米をとぐ

お新香でおいしそうにお茶漬けを食べるときの母は、欲もない、世にも幸せそうな顔