(フランスパン)焦茶色で絞り手拭 の形をしているパンは、フランス独得の流儀で、皿にのせず、畳んだナフキンの上にじかに置いてあった。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:26% 作品を確認(青空文庫)
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パン
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前後の文章を含んだ引用
......精神が背骨を伝って、ぐいぐい堕気を扱 き上げるので、かの女は胸を張ったちゃんとした姿勢で、むす子と向い合った。そして眩 しい瞳を花瓶の花の塊やパンの上に落着けた。 焦茶色で絞り手拭 の形をしているパンは、フランス独得の流儀で、皿にのせず、畳んだナフキンの上にじかに置いてあった。それが却 ってうまそうに見えた。 かの女はときどき眼を挙げて、花を距 てたむす子の顔を見た。ギャルソンに註文を誂 えた後のむす子は画家らしい虚心で、批評的の眼差 しで、......
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パンの味、おいしさを伝える表現・描写(パン・お餅のカテゴリ)の一覧 ランダム5
紙ねんどのような味のするロールパン
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
ミルクメロンパンがふたつ載ったトレイを差し出してきた。甘いパンが無骨な短髪と浅黒い肌にまったく似合わない。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
パンを引き裂いていくとき、それまで内部にこもっていた湯気が嬉しそうに出ていくのを暖かく見守ってやる
東海林さだお / 鯛ヤキの丸かじり amazon
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パンの中で、一番真面目なパンはどれか。 それはまちがいなく食パンである。 身辺を飾ることなく、虚飾を排し、自らは語らず、無欲恬澹、媚びず、へつらわず、ただこげ茶色に日焼けして静かに端座している。 その風貌は、まさにパン界の実直代表といえる。 他のもろもろのパンたちの、小賢しい小細工、おもねり、目立とう精神を一蹴して、威風堂々、自信に満ちあふれている。 奇をてらわぬ実質本位のその形からも、真面目ひとすじ、朴訥、愚直ともいえる生き方が感じられる。 〝食パン〟という名前もいい。 面白くもなんともないところがいい。 食パンの〝食〟は、主食の食である。 「箱形の型を使って焼いた主食用のパン」と広辞苑に出ている。 主食を担っている、という自信が、小賢しい細工を放棄させているのかもしれない。
東海林 さだお「タコの丸かじり (文春文庫)」に収録 amazon
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