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「はあ、来るな」と思っているとえたいの知れない気持が起こって来る。――これはこの頃眠れない夜のおきまりのコースであった。  変な気持は、電燈を消し眼をつぶっている彼の眼の前へ、物が盛んに運動する気配を感じさせた。厖大ぼうだいなものの気配が見るうちに裏返って微塵ほどになる。確かどこかで触ったことのあるような、口へ含んだことのあるような運動である。廻転機のように絶えず廻っているようで、寝ている自分の足の先あたりを想像すれば、途方もなく遠方にあるような気持にすぐそれが捲き込まれてしまう。本などを読んでいると時とすると字が小さく見えて来ることがあるが、その時の気持にすこし似ている。ひどくなると一種の恐怖さえ伴って来て眼を閉いではいられなくなる。
梶井基次郎 / 城のある町にて ページ位置:87% 作品を確認(青空文庫)
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眠れない・眠りが浅い
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前後の文章を含んだ引用
......ないでいると、空を五位がいて通った。ふとするとその声が自分の身体のどこかでしているように思われることがある。虫の啼く声などもへんに部屋の中でのように聞こえる。 「はあ、来るな」と思っているとえたいの知れない気持が起こって来る。――これはこの頃眠れない夜のおきまりのコースであった。  変な気持は、電燈を消し眼をつぶっている彼の眼の前へ、物が盛んに運動する気配を感じさせた。厖大ぼうだいなものの気配が見るうちに裏返って微塵ほどになる。確かどこかで触ったことのあるような、口へ含んだことのあるような運動である。廻転機のように絶えず廻っているようで、寝ている自分の足の先あたりを想像すれば、途方もなく遠方にあるような気持にすぐそれが捲き込まれてしまう。本などを読んでいると時とすると字が小さく見えて来ることがあるが、その時の気持にすこし似ている。ひどくなると一種の恐怖さえ伴って来て眼を閉いではいられなくなる。  彼はこの頃それが妖術が使えそうになる気持だと思うことがあった。それはこんな妖術であった。  子供の時、弟と一緒に寝たりなどすると、彼はよくうつっ伏せになって両手......
単語の意味
厖大・膨大(ぼうだい)
含む(ふくむ)
足・脚・肢(あし)
盛ん・壮ん(さかん)
厖大・膨大・・・1.形や内容が、とても大きいさま。非常に数量が多いさま。
2.ふくらんで大きくなること。(膨大のみ)
含む・・・1.口の中に入れて噛んだり飲み込んだりせず、そのままの状態のこと。
2.ある気持ちを態度に示したり、なんとなくにおわす。「憂いを含んだ表情」
3.ある範囲の中にその要素が入っていること。「サービス料を含んだ値段」
足・脚・肢・・・1.動物の胴体の下から左右に分かれて伸びている部分で、歩いたり体を支えるのに用いる部位。とくに、足首から下の部分をさすこともある。
2.台を支える棒状の部分。物の本体を支える、突き出た部分。また、地面に接する部分や、物の下や末端部分。「テーブルの足」
3.歩くこと。走ること。また、その能力。「足が速い選手」
4.行くこと。また、来ること。また、そうするための手段や乗り物。「客の足がとだえる」「足の便がいい」
5. 餅(もち)などの粘り。こし。
6.損失。欠損。借金。また、旅費。
7.その他、足の形や動きから連想されできた表現として、
・食べ物の腐りぐあいや、商品の売れ行き。「足がはやい」
・(脚)漢字を構成する部分で、上下の組み合わせからなる漢字の下側の部分。「照」の「灬(れっか)」、「志」の「心(したごころ)」など。
・雨や雲、風などの動くようす。「細い雨の足」
・(足)過去の相場の動きぐあい。
盛ん・壮ん・・・1.元気で勢いがあるさま。
2.何かが積極的に行われるさま。何かが続けざまに行われるさま。
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