膨らんだビール腹と太い眉のせいか、薄汚れたつなぎを着ているザキさんには土木作業員としての貫禄がある。

ビール腹が板についた夫はどっしりしており、とうに諦めを知り、それと引き替えに人のために生きることを悟っている雰囲気をかもしだしている。

萃（人名）は特殊な空気を連れて歩いている。 人混みの中にいてもすぐわかる。

勢いのある人特有のオーラはあるが、見栄や気取りはまったくなし

若いのにでっぷり太ってすっかり 貫禄 をつけた軍曹

孤独な、人を寄せ付けないような暗い影がある

落ちついた、不安のない態度

円顔に近かった彼の顔は、いまでは長形というよりもむしろ瓢簞形の無性格な輪郭を形づくっている。のびやかな顔の肌は失われ、額や頰のくぼみには疲労の跡がたまっている。もっとも三十前後から日本の小市民達の顔の上に現われるあの金銭に対する執着に原因した卑しさはそこにはなかったが、判然とした自分の思想を持ち得ず、あらゆるものを断片的に受け入れてきたもののあの無気力の汚さがただようていた。そして学生時代のあの知識に対する貪欲を証明する美しい眼の輝きはなくなってしまっている。これは一言にして言えば疲れた顔である。肩は張り、骨はごつごつし、以前の柔弱な体つきを全く変えてしまっていた。しかしそれでいて、どことなくよどんだ空気が彼のまわりをとりまいている。

香りの強さ、花粉が服につくとなかなか落ちないところ。（が百合に似た人）

糸を抜かれた蛾（が）よりも婆娑（ばさ）とした姿