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(記憶をたどる)記憶はほぐれた繭のように、あとからあとからと、糸をひく。どこまでたぐればその繭がすっかり糸になってしまうのか
森田 たま / もめん随筆〈続〉 作品を確認(amazon)
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(ここ数年の人生を振り返って紙に書き出す)文字にしてながめてみると不思議だった。 その紙をテーブルの上に置いておいたら、それはあたりまえだけれどテーブルの上の四角い白い単なる切れ端で、丸めて捨てても、飛んでいってしまっても何の意味もない。 なのにその紙が愛しく思えたり、そこにまるでマイクロフィルムのようにこの数年のめくるめく情報が満ちあふれては流れでて空間を染めていくように思える。 心は白紙を映像に変える。 私はその映像のなかをさまよっていつのまにか、ここにきた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
城戸は、走り書きのメモを元に、二人から聴いた原誠の話を、記憶している限り、文章にしていった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
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タクシーのラジオから流れてくるその音楽を耳にして、すぐに「これはヤナーチェックの『シンフォニエッタ』だ」とわかったのだろう。そしてどうしてその音楽が、私の身体に激しい個人的な揺さぶりのようなものを与えたのだろう。そう、それはとても個人的な種類の揺さぶりだった。まるで長いあいだ眠っていた潜在記憶が、何かのきっかけで思いも寄らぬ時に呼び覚まされたような、そんな感じだった。肩を掴まれて揺すられているような感触がそこにはあった。とすれば、私はこれまでの人生のどこかの地点で、その音楽と深く関わりを持ったのかもしれない。その音楽が流れてきて、スイッチが自動的にオンになって、私の中にある何かの記憶がむくむくと覚醒したのかもしれない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
(タマリスクという花の名が思い出せない)あれはなんという名だったか。砂嵐に 烟って一面に咲き乱れるという紅紫色の花。どうしても思い出せない。タマ……タマス……タクマ……タリスマ……タクラマ……。口のなかでどう唱えても最後にはタクラマカンという語になってしまう。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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