草原はのたうちまわる生きもののように風の中で身をくねらせていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:79% 作品を確認(amazon)
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草原・芝生
風
はためく・翻る
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前後の文章を含んだ引用
......。やはり一週間というところだ。 僕は草原に面したダブルハング窓を押し上げ、外側のブラインドを開いた。草原を吹きわたる風は強さを増し、黒い雲は一層低く流れていた。草原はのたうちまわる生きもののように風の中で身をくねらせていた。その向うに白樺が見え、山が見えた。写真とまったく同じ風景だった。羊がいないだけだ。 我々は下におりて、またソファーに座った。柱時計がひとしきりチャイムを鳴らして......
単語の意味
草原(そうげん・くさはら)
草原・・・一面に草が生えている広い野原。
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草原・芝生の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
野面にはそこここに、低い木立が島のように影をはらんで屯(たむろ)していた
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
五月のN原は、緑の美しい姿態を、青空の下に横たえていた
立野 信之 / 軍隊病「軍隊病―兵士と農民に関する短篇集 (昭和4年) (日本プロレタリア作家叢書〈第5篇〉)」に収録 amazon
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風の表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
草が、圧(おさ)えられたようにいっせいに頭を風下に倒す
大岡 昇平 / 野火 amazon
(手入れされた古い家の前で)家がゆったり呼吸するように、一筋の風が通りすぎていった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
崖の鼻をなめて行く海風のように、野の風は《…略…》首すじへ滑って行く。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
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はためく・翻るの表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
裾前が、風に動いて、黄色な裏地を見せていた。
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
大きい束髪に風を入れていた。
林芙美子 / 新版 放浪記
『高品質、低価格宣言』という赤い垂れ幕が、デパートの壁で波うつ。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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「地上・陸地」カテゴリからランダム5
街の物音が、厚い膜に包まれたように、遠くかすかに響いて来る。
石坂 洋次郎 / 暁の合唱 (1954年) amazon
一里も離れている「隣りの人」
小林多喜二 / 蟹工船
青い陶器の胸のようにふくれた水平線
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
大蛇のうねるような坂
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
「風」カテゴリからランダム5
耳元でぐるぐる 捩れながら吹きすぎていく風の音
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
麦わら帽子が、その風にさらわれた。あっと叫んだ時には、もうかなり高く舞い上がり、そのまま、海へと運ばれていく。波の上に、ふわりとかぶさった。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
「状態・状況」カテゴリからランダム5
ひとつ何かがうまくいかないと、何もかもが連鎖的に悪い方向に流れていくという典型的な一日だった。
村上春樹 / ファミリー・アフェア「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
今自分が手にしているものを寸分の妥協もなく護りきろうと決意しているのだろう。峠の 砦 にこもったスパルタ人みたいに。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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