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僕はそのふたつの命題を胸に抱えたまま、時計の長針がゆっくりと文字盤を一周するのを眺めていた。針が一周したあとでも、僕はそのふたつの命題の中心にあるものに辿りつくことはできなかった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:86% 作品を確認(amazon)
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一点を見つめる
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前後の文章を含んだ引用
......しかし、彼は僕を拒否してはいない。もし彼が僕をここに置きたくないのなら、彼には僕を閉め出す方法は幾らでもあったはずなのだ。何故なら、この家は彼の家なのだから。 僕はそのふたつの命題を胸に抱えたまま、時計の長針がゆっくりと文字盤を一周するのを眺めていた。針が一周したあとでも、僕はそのふたつの命題の中心にあるものに辿りつくことはできなかった。 羊男は何かを知っている。それは確かだった。僕がここにやってくるのを目ざとくみつけたのと同じ人間が、半年近くもここに住んでいた鼠を知らないわけがないのだ。 考え......
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胸(むね)
・・・1.体の前面で、首と腹との間の部分。また、その内側にある心臓や肺臓、胃などの内臓。
2.(胸に宿るとされている、)心。想い。心中。
3.乳房(ちぶさ)。おっぱい。
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眼の前のほのぐらい空間の一点に眼を据えて、何事か考え込んでいた。
野間宏 / 第三十六号「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon関連カテ考える・頭を回転させる一点を見つめる
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