庭の隅に、杜若 がぞっくり揃った芽を出していた。青々したその芽生えのところだけは、特別日光がたまるかと思うほど、明るく美しく見えた。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:32% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
芽・新芽・若芽
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......にいた。 空が晴れ渡って、風が、椿 の艶ある葉をゆるがして吹いた。 山吹がもしゃもしゃ茂り、小枝の折れ、落葉など、雑然とかさなりあっている手入れされたことのない庭の隅に、杜若 がぞっくり揃った芽を出していた。青々したその芽生えのところだけは、特別日光がたまるかと思うほど、明るく美しく見えた。――暖かい。……眼を細め、その強い緑色の中にある明暗を眺めているうちに、不思議な烈しい感覚が伸子の全身を流れた。伸子は、喉につっかけてくるようなときめきを感じな......
単語の意味
日光(にっこう)
日光・・・日の光。大陽光線。
ここに意味を表示
芽・新芽・若芽の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
かんしゃく玉のような小さな新しい芽
カレル チャペック / 園芸家12カ月 amazon
胡桃の新芽はなかなかいい。かっちりした精巧な銅版画を見るような気分
がする
小沼 丹 / 胡桃「小沼丹全集〈第3巻〉」に収録 amazon
四分ほどに延びた芽生えが、弱々しく、ひょろり、ひょろりと並んでいる。
宮本百合子 / 伸子
このカテゴリを全部見る
「植物」カテゴリからランダム5
白い小さな、細かい花が大きな壺に投げこまれている。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
夕陽を浴びて金色に輝きながら降りしきる銀杏の中を歩く
落合 恵子 / 夏草の女たち amazon
(タマリスク)閉じたまぶたの裏側の血の色に似た花が、冷たい炎のように燃え盛って
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
植物 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ