お城だけに堅牢（しっかり）している。法文科見たように倒れそうでない。何だか背の低い相撲取に似ている。

（城跡）城山の石畳を歩いていた。ここに城閣はない。苔蒸した石垣だけが残っている。

野薔薇の花が星のように咲く古城の壁

枯桑の中に石垣の膚を聳（そび）え立たしている亀山の城。

大軍の攻勢に立ちはだかる城壁

（おみくじ）枝々に紙がいくつも白い蝶のやうに結びつけられてゐる

ガラスばりのカフェ

スタジオ内の撮影スペースは、床と壁が全く同じ明るさの白色で統一されているので、その空間だけまるで奥行きがないように見える。

（あぶり餅屋）江戸のころを想わせる店構えも、いまはところどころに手を加えはじめたようだが、それでもまだ、古めかしい縁台に腰をかけて、おばあさんが焙ってくれる餅を食べていると、なんだか自分の頭にチョンマゲでものっているような気分になってしまう。《…略…》このあぶり餅には、まさに江戸のころの風味が残されており、周囲の環境と呼吸を合わせ、見事に一つの〔日本の情景〕をつくりあげているのだ。

混沌とした深夜のクラブ