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淡い夕闇の中に、この飯やだけは古風な、以前のままのかまえを凜々しく見せて、中へ入れば十余年前がそのままに存在していた。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:28% 作品を確認(amazon)
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古い建物の佇まい
老舗
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前後の文章を含んだ引用
......なかったと、いま、しみじみとおもう。 いまの私は完全に、戦前の気分にもどってしまった。 ふと、気がつくと、私は千日前の辻を東へ入った〔だるま〕の前に立っていた。淡い夕闇の中に、この飯やだけは古風な、以前のままのかまえを凜々しく見せて、中へ入れば十余年前がそのままに存在していた。 中央のガラスケースへ、ぎっしりとならべられたタイの子の煮つけ・タコとフキのたき合せ・玉子やき・鶏の肝・ホタルイカ・竹の子とフキなど一皿百円の惣菜に、アワビのお......
単語の意味
淡い(あわい)
夕闇(ゆうやみ)
淡い・・・味や色や香りなどが薄い。光や形がぼんやりしている。
夕闇・・・日が沈んで、月が出るまでの間の薄い暗闇。夕方、月がなくて暗いこと。
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店・建物の佇まい・外観の表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
お伽噺に出てくる魔の城のような煉瓦の建物
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
軒先には風で回転する古い立看板が出ていて、「古書買取・誠実査定」の文字が躍っている
三上 延 / ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ amazon
祭礼かと見まちがうばかり賑やかに飾り立てた店の前の広告塔
島崎 藤村 / 分配 amazon
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古い建物の佇まいの表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
戦災に焼け残った店がかたまっていて、町そのものも、むかしの東京の面影を色濃くとどめている。
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
保存的価値のある建築
岡本かの子 / 巴里のキャフェ
歴史的保存物と言ってもいいような吉祥寺の木造アパート
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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老舗の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(十余年ぶりに訪れた老舗の料理屋は)持続の美徳を奉じて、面がまえもたのもしく、貧乏ゆるぎもしていなかった。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
店の雰囲気と味を、むかしのままに保ちつづけている。 物事の良さを長年にわたって持続して行くことが、まことにむずかしい時代となっただけに、
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
紅殻格子の、古風な店構え
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「家・建物」カテゴリからランダム5
窓からの風景はいつの夜も渝 らなかった。喬にはどの夜もみな一つに思える。
梶井基次郎 / ある心の風景
うすよごれのした人間が蠅のようにたかっている屋台
石川 淳 / 焼跡のイエス (1949年) amazon
「店・施設」カテゴリからランダム5
(広いホテル)これだけ大きなホテルだと、人々も植物も細かいパートに分かれてそれぞれに機能し、もはや有機的な動きをしている巨大な生き物のような感じがする。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
無人の滑り台は氷河期に死滅した大型動物の骨格のように見える
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
スタジオ内の撮影スペースは、床と壁が全く同じ明るさの白色で統一されているので、その空間だけまるで奥行きがないように見える。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
バーは薄暗がりのなか緊密で濃い夜の空気に満ちて、少ない客は緊密にはりめぐらされた雰囲気をほどかないように、そっと小声で話し合っていた。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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