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(電燈を消して、)くらやみの中で自分の功利心がぴっかり眼を見開いて
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:41% 作品を確認(青空文庫)
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気持ちが騒ぐ、強く感じる
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......と小初は静かにもう泣いていた。思えば都会偏愛へんあいのあわれな父娘だ。それがため、父はいらだたしさにさもしく老衰ろうすいして行き、自分は初恋からいやしく五十男に転換てんかんして行く……。くらやみの中で自分の功利心がぴっかり眼を見開いているのに小初の一方の心では昼間水中であじわった薫の若い肉体との感触をおもい出している……。  少したつと小初はまた起き上った。父の様子を見ようと裏口の窓を開けた。雨上り......
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