階段を降り始める。春の大気に、彼女の靴音がそっと差し込まれている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 ページ位置:96% 作品を確認(amazon)
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足音・靴音
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前後の文章を含んだ引用
......のする風が吹き、スーツを膨らませる。階段の上には、彼女が立っている。でもその姿を直視することができなくて、俺は目の端で彼女の気配だけをとらえている。その気配が、階段を降り始める。春の大気に、彼女の靴音がそっと差し込まれている。俺の心臓が、肋骨の中で跳ねている。 私たちは目を伏せたまま近づいていく。彼はなにも言わず、私もなにも言えない。そして言えぬまま、私たちはすれ違ってしまう。その瞬......
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足音・靴音の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
まるで廊下で四股を踏まれるような騒々しい足音
宇野浩二 / 蔵の中 amazon
とっとっとっとっしずかに走るのでした。その足音は気もちよく野原の黒土の底の方までひびきました。
宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり
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「音の響き」カテゴリからランダム5
靴音のように遠くから規則正しく寄せてくるピアノのメロディー
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
母親がわが子を抱えるようなあたたかい伴奏
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
電話はもう一度生物のように鳴り始めた。
曽野 綾子 / たまゆら amazon
「歩く・歩き方」カテゴリからランダム5
足音がガランとした室内に楔(くさび)のように響きわたった
村上春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート(タクシーに乗った男) amazon
廊下の壁に反響する自分の靴音を一つ、一つ聞きながら手術室に近づいていった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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