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花が枯れて水が腐ってしまっている花瓶 が不愉快で堪 らなくなっていても始末するのが億劫で手の出ないときがある。見るたびに不愉快が増して行ってもその不愉快がどうしても始末しようという気持に転じて行かないときがある。それは億劫というよりもなにかに魅せられている気持である。自分は自分の不活溌のどこかにそんな匂いを嗅 いだ。
梶井基次郎 / 泥濘 ページ位置:10% 作品を確認(青空文庫)
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だらだら暮らす
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前後の文章を含んだ引用
......た止 まらなかった。 やめた後の状態は果してわるかった。自分はぼんやりしてしまっていた。その不活溌な状態は平常経験するそれ以上にどこか変なところのある状態だった。花が枯れて水が腐ってしまっている花瓶 が不愉快で堪 らなくなっていても始末するのが億劫で手の出ないときがある。見るたびに不愉快が増して行ってもその不愉快がどうしても始末しようという気持に転じて行かないときがある。それは億劫というよりもなにかに魅せられている気持である。自分は自分の不活溌のどこかにそんな匂いを嗅 いだ。 なにかをやりはじめてもその途中で極 って自分はぼんやりしてしまった。気がついてやりかけの事に手は帰っても、一度ぼんやりしたところを覗 いて来た自分の気持は、もうそ......
単語の意味
堪らない(たまらない)
億劫(おくこう・おっこう・おっくう)
愉快(ゆかい)
堪らない・・・気持ちを抑えられない。気持ちを抑えられないくらい、素晴らしく素敵。なんともいえないほど素晴らしい。「仕事のあとのビールは堪らない」
億劫・・・1.仏教における時間の最長単位である「劫(こう・ごう)」の一億倍。転じて、極めて長い時間。永遠。万劫(ばんごう・まごう・まんごう)。
2.(時間が長くかかってやりきれないという意味が転じて)面倒くさくて気が進まないこと。何もやりたくない気持ち。(「おっくう」と読む場合が多い)
2.(時間が長くかかってやりきれないという意味が転じて)面倒くさくて気が進まないこと。何もやりたくない気持ち。(「おっくう」と読む場合が多い)
愉快・・・爽(さわ)やかで快(こころよ)いこと。気分が晴れ晴れして、気持ちがいいこと。
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