玉子の白味を切るようによくかきまぜないので、黄味と白味がわかれていて、焼き上りが白、黄、まだらであった。フライパンの中でかき玉のようにかきまぜないのでかたかったし、出来たてでなかったから、つめたくて舌ざわりが悪かった。オムレツなんてものは誰にだって出来る、安くてケチな料理だと、コックさんがバカにしながらいい加減に作ったような感じがした。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 ページ位置:36% 作品を確認(amazon)
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オムレツ
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前後の文章を含んだ引用
......ンオムレツに、ナス、ほうれん草、人参のバタいためが添えてあり、百二十円であった。批評家として観察しながらたべた三つとも、あまりおいしいとはいえなかった。 まず、玉子の白味を切るようによくかきまぜないので、黄味と白味がわかれていて、焼き上りが白、黄、まだらであった。フライパンの中でかき玉のようにかきまぜないのでかたかったし、出来たてでなかったから、つめたくて舌ざわりが悪かった。オムレツなんてものは誰にだって出来る、安くてケチな料理だと、コックさんがバカにしながらいい加減に作ったような感じがした。しかし値段には感激した。七十円、百円、百二十円。 いまそのお金で、いったい何が食べられるだろう。同じようにおいしくないオムレツだって、十倍近くの値になっているの......
単語の意味
玉のよう・珠のよう(たまのよう)
玉のよう・珠のよう・・・真珠のよう。宝石のよう。張りがあって美しい。なめらかな。
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オムレツの味、おいしさを伝える表現・描写(卵のカテゴリ)の一覧 ランダム5
これ以上、泡立てようがないというほど膨れあがったオムレツ
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
中身がやわらかいひだひだで舌ざわりがよかった
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
トマトソースの海の中に、黄色いオムレツの小島が浮いている、そんな感じだ。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
ふわふわとまるで雲をつかむような口ざわり。それでいてデカイ。
檀一雄 / 美味放浪記 amazon
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「卵」カテゴリからランダム5
ゆでるときは、強火では割れるおそれがある。ゆでている間、の先でころがすようにすると、黄味が真中にゆで上る。 ふっとうしてから約10分でゆで上るから、すぐ水につけること。水につけるとき、ちょっとカラにひびを入れておくと、水につけただけよりもっとカラがむきやすいし、ゆでるとき水の中に少量の塩を入れておくのも、カラをむきやすくする。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
僕は断然かたゆでが好きだ。あのほろほろっと崩れる、きめの細かいひよこ色を食べるたびに、こんなに完璧な食べものがあるものかと思う。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
そとがわは、こげ目のつかない程度に焼けていて、中はやわらかくまだ湯気のたっているオムレツ。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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