TOP > 暮らしの表現 > 生と死 > 自殺する


カテゴリ検索 単語の意味
(犯人は)罪を償えと迫られるや、もう生きていけないなどとヒステリックにわめき散らし、肥大しきった自己愛を抱きしめて「死」という安全地帯へ逃避する。
横山 秀夫 / 半落ち 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
自殺する
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
no data
ここに意味を表示
自殺するの表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(自殺を思いとどまる)結局、彼女が拳銃の引き金を引くことはなかった。最後の瞬間に彼女は右手の人差し指に込めた力を緩め、銃口を口から出した。そして深い海底からようやく浮かび上がってきた人のように、大きく息を吸い込み、それを吐き出した。身体中の空気を丸ごと入れ換えるみたいに。青豆が死ぬことを中断したのは、遠い声を耳にしたからだった。そのとき彼女は無音の中にいた。引き金にかけた指に力を入れたときから、まわりの騒音はそっくり消えていた。彼女はプールの底を思わせる深い静寂の中にいた。そこでは死は暗いものでも怯えるべきものでもなかった。胎児にとっての羊水のように自然なものであり、自明なものであった。悪くない、と青豆は思った。ほとんど微笑みさえした。そして青豆は声を聴いた。 その声はどこか遠い場所から、どこか遠い時間からやってきたようだった。声に聞き覚えはない。いくつもの曲がり角を曲がってきたせいで、それは本来の音色や特性を失っていた。残されているのは意味を剥ぎ取られた虚ろな反響に過ぎない。それでもその響きの中に、青豆は懐かしい温かみを聴き取ることができた。声はどうやら彼女の名前を呼んでいるようだった。 青豆は引き金にかけた指の力を抜き、目を細め、耳を澄ませた。その声の発する言葉を聞き取ろうと努めた。しかし辛うじて聞き取れたのは、あるいは聞き取れたと思ったのは、自分の名前だけだ。あとは空洞を抜けてくる風のうなりでしかなかった。やがて声は遠くなり、更に意味を失い、無音の中に吸い込まれていった。彼女を包んでいた空白が消滅し、栓がとれたみたいにまわりの騒音が一挙に戻ってきた。気がついたとき、死ぬ決心は既に青豆の中から失われていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
ママは自殺したのだから。  この、美しいはずの世界を捨てて。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
絶望し切って、首でも吊ってしまいかねない。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon関連カテ絶望・希望がない自殺する
不治の病をはかなんで死んだ
梶井基次郎 / Kの昇天
このカテゴリを全部見る
「生と死」カテゴリからランダム5
疲れ果てて死んでしまった
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon関連カテ疲れる・疲労感死ぬ
カテゴリ検索 単語の意味
同じカテゴリの表現一覧
生と死 の表現の一覧 
暮らしの表現 大カテゴリ
表現の大区分