夜ふけて、ふと目ざめると、微かに雨の音がしていた。 闇にただよう冷気は、夏のものともおもわれぬほど、清々しかった。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:45% 作品を確認(amazon)
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梅雨・夏の雨
夏の夜
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前後の文章を含んだ引用
......なしは、かってはいない) と、はっきりわかる。 安いものを何度も食べる金をためておいて、ここへ一度、やって来たほうが、どれほどみちたりるか知れたものではない。 夜ふけて、ふと目ざめると、微かに雨の音がしていた。 闇にただよう冷気は、夏のものともおもわれぬほど、清々しかった。カレーライス〔カレーライス〕とよぶよりは、むしろ〔ライスカレー〕とよびたい。 戦前の東京の下町では、そうよびならわしていた。 この食べものを、はじめて口にしたの......
単語の意味
清々する(せいせいする)
冷気(れいき)
清々する・・・気持ちがすっきりと楽なったさま。心配事やわだかまりが消えて、すがすがしい気持ち。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。
冷気・・・ひんやりと冷たい空気。冷え冷えした気候。
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日中の太陽の放射する炎熱を吸い込んだ山の肌は、夜になってほてりをはきだし
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
(夏の夕方)日が傾きだしても、暑さが和らぐ気配はない。昼間、太陽を浴びた木々の葉が体温を発散しているからだろうか、開け放した窓から入ってくるのは風ではなく、熱気ばかりだ。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
夏の夜は心地よく、そして神秘的な深みをもっていた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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(真夏の)真昼に近い銀座は、古いフィルムのようにあたりがひっそりと背景にへばりついている。
林 真理子 / ワイン「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
間近で見ると、螢火は数条の波のようにゆるやかに動いていた。震えるように発光したかと思うと、力尽きるように 萎えていく。そのいつ果てるともない点滅の繰り返しが何万何十万と身を寄せ合って、いま切なく 侘しい一塊の生命を形づくっていた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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