お日様（ひさま）はもえる宝石（ほうせき）のように東（ひがし）の空（そら）にかかり、あらんかぎりのかがやきを悲（かな）しむ母親（ははおや）の木（き）と旅（たび）にでた子（こ）どもらとに投（な）げておやりなさいました。

外は、一面クローム鍍金をしたように、光の中でかすんでいた。

ロマネスクの半円祠堂（しどう）があって、一本一本の円柱は六月の陽（ひ）を受けて鮮（あざや）かに紫薔薇色（ばらいろ）の陰（かげ）をくっきりつけ、その一本一本の間から高い蒼空（あおぞら）を透（す）かしていた。白雲が遥（はる）か下界のこの円柱を桁（けた）にして、ゆったり空を渡（わた）るのが見えた。

（日当たりのいい秋のテラスは）風が吹いていない時は、柔らかい布にすっぽり包まれたように暖かかった。

火のかんかん照る土手

曇天の日は時間が寒天の中で溶解してしまったよう

蜜柑山に照りかえった黄いろい陽を浴びて村道に出た。

オレンジ色した太陽の温もり

もう午前十時をまわっていて、相当高いところにある太陽がまるで美しいものみたいにこの街を照らしていた。

数キロ先まで広がる開発地の建造中の建物一つ一つに目を這わす。朝と夕、日光がかすかな赤味を帯びているとき、それらの輪郭は遥か遠くの山々の稜線と重なり、神々しく映るのだ。