畑地には、ここらから搬出する晩春初夏の菜果が充 ちていた。都会人のまちまちな嗜好 を反映するように、これ等の畑地のなりものや野菜は一定していなかった。茄子畑 があると思えば、すぐ隣に豌豆 の畑があった。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:63% 作品を確認(青空文庫)
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田園・田畑
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前後の文章を含んだ引用
......ん。人間の好きも嫌いもなくなっちまう」 「まあそれはそうだけど」 往還のアスファルトに響いて多摩川通いのバスが揺れながら来た。かの女等はそれを避けて畑道へそれた。畑地には、ここらから搬出する晩春初夏の菜果が充 ちていた。都会人のまちまちな嗜好 を反映するように、これ等の畑地のなりものや野菜は一定していなかった。茄子畑 があると思えば、すぐ隣に豌豆 の畑があった。西洋種の瓜 の膚が緑葉の鱗 の間から赤剥 けになって覗 いていた。畦 の玉蜀黍 の一列で小さく仕切られている畑地畑地からは甘い糖性の匂 いがして、前菜の卓のように蔬菜 を盛り蒐 ......
単語の意味
嗜好(しこう)
反映(はんえい)
春初(しゅんしょ)
初夏(しょか・はつなつ)
生り物(なりもの)
菜果(さいか)
嗜好・・・好みや趣味。とくに食べ物に対する好みや趣味。
春初・・・春のはじめ。春首(しゅんしゅ)。
初夏・・・ 夏の初め。陰暦4月の異名。孟夏(もうか)。首夏(しゅか)。
生り物・・・1.田畑から取れるもの。
2.果物などの、食べられる実。
2.果物などの、食べられる実。
菜果・・・野菜や果物。
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十二月の今となっては、水田の跡と言ったほうがいいかもしれない。乾いた土があるだけだった。刈られた稲の名残りもない。
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