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シャッターを下ろしたジェイズ・バーの中には何年ものあいだ彼が求めつづけてきたきらめきのかけらもなかった。全てが色あせ、そして全てが疲れ切ってしまっているようだった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:76% 作品を確認(amazon)
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店内の雰囲気
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......もうまく寝られそうもないからね」 鼠は反射的に腕時計に目をやる。十二時二十分だった。物音ひとつしない地下の薄くらがりの中で時間は死に絶えてしまったように思える。シャッターを下ろしたジェイズ・バーの中には何年ものあいだ彼が求めつづけてきたきらめきのかけらもなかった。全てが色あせ、そして全てが疲れ切ってしまっているようだった。「あたしにコーラをくれないかな」とジェイが言った。「あんたはビールでも飲めばいい」 鼠は立ち上がって冷蔵庫からビールとコーラを取り、グラスと一緒にテーブルに運ん......
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