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声を立てないのは、死んでいるのではなく、強く首の根を締めあげられているからで
吉川英治 / 八寒道中 ページ位置:55% 作品を確認(青空文庫)
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首を絞める・絞殺
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前後の文章を含んだ引用
......、それへ手がかかる途端に、サッと、襖 の音 ――そして、どたりという重苦しい響きが一瞬。 おそろしい素迅 さで、彼の手に引出されたのは、鮎川の乾分 らしい男だった。――声を立てないのは、死んでいるのではなく、強く首の根を締めあげられているからで、 「く、くッ……」と、ただ眼を白くして、やがて、ぐんにゃりと三五兵衛の手を離れた。 「誰に頼まれた」 「へ、へい……」 「ぬかさぬか」 「申し訳がございません。実は、少......
単語の意味
首・頸・頚(くび)
首・頸・頚・・・1.頭と胴体をつなぐ細い部分。頸部(けいぶ)。また、「頭」そのものを指す場合もある。
2.1に似た役割を果たす部分や似た格好の部分。衣服の襟(首にあたる部分)。「びんの首」「セーターの首」など。
3.免職や解雇することをあらわす。首を切るという意味から。
2.1に似た役割を果たす部分や似た格好の部分。衣服の襟(首にあたる部分)。「びんの首」「セーターの首」など。
3.免職や解雇することをあらわす。首を切るという意味から。
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声を立てないのは、死んでいるのではなく、強く首の根を締めあげられているからで
吉川英治 / 八寒道中
まずこちらの話を聞いてくれ、と。しかし声は出てこなかった。声帯を震わせるだけの空気がそこにはもうなかったし、舌も喉の奥で石のように固まったままだ。気管は今では隙間なく塞がれていた。空気は一切入ってこない。肺は新鮮な酸素を死にものぐるいで求めていたが、そんなものはどこにも見当たらない。身体と意識が分割されていく感覚があった。身体が寝袋の中でのたうち続けている一方、彼の意識はどろりとした重い空気の層に引きずり込まれていった。両手と両足が急速に感覚を失っていった。なぜだと彼は薄れていく意識の中で問いかけた。なぜ俺がこんなみっともないところで、こんなみっともない格好で死んでいかなくてはならないんだ。もちろん答えはない。やがて辺縁を持たぬ暗闇が天井から降りて、すべてを包んだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
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皮膚が破れ、肉が裂けても構わない意気組で叩き続ける
夢野久作 / ドグラ・マグラ
ふ、ふと湯玉が上ってくるように笑いの玉がこみ上げて来て、大きな声で笑っていた。
向田 邦子 / はめ殺し窓「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 amazon
雑穀屋が小豆 の屑を盆の上で捜すように、影を揺って
梶井基次郎 / Kの昇天
身慄いが細い螺旋形 の針金にでもつき刺されるように肩から首筋を刺した。
岡本かの子 / 巴里祭
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今までは勝手に先に自分で死んだあの子に、嫌われたような裏切られたようなくやしい気持ちが、心のどこかにあった
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
自殺は、まるで簡単な事務のように、毎日、新聞の片隅でなし遂げられてゆくのでした。
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
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