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歴史の匂いがする参道を、風が、大勢の人々のような気配とともに勢いよく吹いて行くだけだった。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:79% 作品を確認(amazon)
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閑散・人気(ひとけ)がない
古い建物の佇まい
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前後の文章を含んだ引用
......はまったくの無人で、こわいくらい静かだった。ゴーストタウンみたい……ととかげが笑った。 柵にもたれて、5分以内に人が通るかかけて待ってみたけれど誰も来なかった。歴史の匂いがする参道を、風が、大勢の人々のような気配とともに勢いよく吹いて行くだけだった。 闇の中のとかげが、その白い歯が、白いシャツが、夢の中のように映えて見えた。「実は俺も、秘密があるんだ。」 私は言った。「俺、母親と父親の子供じゃないんだ。」 ......
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閑散・人気(ひとけ)がないの表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
公園前の通りを走り抜けていく車の数は、ますます少なくなっていた。ついさっき二台前に停まっていた車に若いカップルが乗り込んで走り去った気配が、まだその場に残っているような静まり返った通りだった。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
なかはガランとして、さむざむした感じだった。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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古い建物の佇まいの表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(古マンション)風も通らず陽も当たらず、一年じゅう梅雨どきのように 暗鬱 な感じがするのは、自分が 徒 らに齢を食ったせいではあるまい。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
(手入れされた古い家)古い家だった。小柄な白髪の老女が、無口に目を伏せて正座しているような家だった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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「人の印象」カテゴリからランダム5
この女房はいつも夫の大きな背中の後にかくれているように、つつましくしおらしくて
石川 達三 / 蒼氓 amazon
燃えたぎる生命の力を感じさせてくれる男だった。彼は、自分が生きて〝在る〟ことに満足していた。彼は歪んではいなかった。神経症、 鬱、トラウマ……その種の、現代人にありがちな数々の心の病とは、おそらく生涯無縁でいられる男だった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(仮名)X〟という無機的な呼称
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
「密度・集団」カテゴリからランダム5
吉川英治 / 増長天王
どこかの団体客が、芝居の終わった劇場から 一斉 に出て来たらしく、しばらくは一歩も前に進めないほどであった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
あっという間にホームが人で溢れる。乾いた地面を狙い、流れる水が湿らせていくかのように、空間が埋め尽くされていった。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
三、四人の客が入って来た。《…略…》たちまち店内には汗の 臭いが満ちた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
「家・建物」カテゴリからランダム5
華やかな色彩が童話風に輝く菓子屋
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
窓からの風景はいつの夜も渝 らなかった。喬にはどの夜もみな一つに思える。
梶井基次郎 / ある心の風景
厚い檜皮ぶきの屋根が、重く暗い量感で、おそろしく迫って来た
川端康成 / 古都 amazon
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