街道の傍から渓に懸った吊橋 を渡って入ってゆく山径
梶井基次郎 / 筧の話 ページ位置:2% 作品を確認(青空文庫)
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山道・峠道
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前後の文章を含んだ引用
私は散歩に出るのに二つの路を持っていた。一つは渓 に沿った街道で、もう一つは街道の傍から渓に懸った吊橋 を渡って入ってゆく山径だった。街道は展望を持っていたがそんな道の性質として気が散り易かった。それに比べて山径の方は陰気ではあったが心を静かにした。どちらへ出るかはその日その日の気持が決めた。 しかし、いま私の話は静かな山径の方をえらばなければならない。 吊橋を渡った......
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全く時代とは絶縁された峠の旧道
岡本かの子 / 東海道五十三次
三十分ほど進んだところでアスファルトの舗装が突然消え失せ、道幅も半分になった。両側の暗い原生林が巨大な波のように車に向ってどっと押し寄せてきた。空気の温度が何度か下がった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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バスは突然ひやりとした杉林の中に入った。杉はまるで原生林のように高くそびえたら、日の光をさえぎり、うす暗い影で万物を覆っていた。開いた窓から入ってくる風が急に冷たくなり、その湿気は肌に痛いばかりだった。谷川に沿ってその杉林の中をずいぶん長い時間進み、世界中が永遠に杉林で埋め尽くされてしまったんじゃないかという気分になり始めたあたりでやっと林が終り、我々はまわりを山に囲まれた盆地のようなところに出た。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
月夜の峠でのそよ風が、自由なはばたきへの誘いをひそめている
島尾 敏雄 / 島尾敏雄 amazon
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