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なにかをやりはじめてもその途中で極 って自分はぼんやりしてしまった。気がついてやりかけの事に手は帰っても、一度ぼんやりしたところを覗 いて来た自分の気持は、もうそれに対して妙に空ぞらしくなってしまっているのだった。何をやりはじめてもそういうふうに中途半端中途半端が続くようになって来た。またそれが重なってくるにつれてひとりでに生活の大勢が極ったように中途半端を並べた。
梶井基次郎 / 泥濘 ページ位置:13% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
やる気を失う
だらだら暮らす
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前後の文章を含んだ引用
......しても始末しようという気持に転じて行かないときがある。それは億劫というよりもなにかに魅せられている気持である。自分は自分の不活溌のどこかにそんな匂いを嗅 いだ。 なにかをやりはじめてもその途中で極 って自分はぼんやりしてしまった。気がついてやりかけの事に手は帰っても、一度ぼんやりしたところを覗 いて来た自分の気持は、もうそれに対して妙に空ぞらしくなってしまっているのだった。何をやりはじめてもそういうふうに中途半端中途半端が続くようになって来た。またそれが重なってくるにつれてひとりでに生活の大勢が極ったように中途半端を並べた。そんなふうで、自分は動き出すことの禁ぜられた沼のように淀 んだところをどうしても出切ってしまうことができなかった。そこへ沼の底から湧 いて来る沼気 のようなやつがいる......
単語の意味
妙(みょう)
妙・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
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やる気を失うの表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
それを助けてやるというような気持は私の倦怠 からは起こって来ない。
梶井基次郎 / 冬の蠅
力を一度にもぎ取られるように思った。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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だらだら暮らすの表現・描写・類語(暮らし・生活のカテゴリ)の一覧 ランダム5
一日を無為にすごすという思いが、彼の心を堪え難いものにした。そして夕暮の気配が部屋の窓や机の上の書物に影をつけ始めると、深い悲しみというような一種の落着きさえもない、価値などに全く関係のない焦躁に貫かれて、いつものように永杉英作のアパートに足を向けた。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
近所の陽来軒へ行き、固い焼きそばを注文する。固い焼きそばは口の天井に突き刺さって食べにくい。《…略…》このひと月、同じことを繰り返している。 いま睦男に歯向ってくるのは、陽来軒の固い焼きそばだけだった。焼きそばを食べているときだけ生きていて、あとは死骸みたいなものだった。
向田邦子 / マンハッタン「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
なんの展望もなくじりじりと枯れてゆくように日々は過ぎてゆく。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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「暮らし・生活」カテゴリからランダム5
平穏がぬるま湯のようにぴったりと家そのものを包みこむ
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
部活やバイトが始まる時間までだらだらと教室に残っているクラスメイトたちは、転がり込んできた膨大な自由時間を、少しずつ、かつ贅沢に舐め溶かしているように見える。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
とりあえず僕にとっていちばん必要なことは新しい仕事をみつけることなのだ。そして僕なりの新しい生活サイクルを確立することなのだ。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
「恐怖・不安」カテゴリからランダム5
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身体から、時間をかけて徐々に力が抜けていった。バスケットボールから空気が抜けるときのように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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