フィルムを逆送りするように時間が退行した。

（ウインドウショッピング）新宿の大塚家具に時間をつぶそうと軽い気持ちで入る

鼠（人名）にとっての時の流れは、まるでどこかでプツンと断ち切られてしまったように見える。《…略…》切り口をみつけることさえできない。死んだロープを手にしたまま彼は薄い秋の闇の中を彷徨った。草地を横切り、川を越え、幾つかの扉を押した。しかし死んだロープは彼を何処にも導かなかった。羽をもがれた冬の蠅のように、海を前にした河の流れのように鼠は無力であり、孤独であった。何処かで悪い風が吹き始め、それまで鼠をすっぽりと取り囲んでいた親密な空気を地球の裏側にまで吹きとばしてしまったようにも感じられる。

この夏は集中して独学で料理を学んだ。 　あの感じ、頭の中で細胞がふえるような感じはちょっと忘れがたい。

太陽の方角と高さからすると、まだ午前中。

愛情が宇宙まで果てしなく広がっていく