真夏の1、2週間は不思議だ。永遠に変わらないような陽射しの中で、いろんなことが進展していたりする。人の心や、出来事。そうしているうちに、秋が 牙 をといでいる。時間がたたないなんて錯覚だったというふうに、ある朝突然冷たい風や高い空で思い知る。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:61% 作品を確認(amazon)
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夏
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前後の文章を含んだ引用
......でペースを作っていかないと、生活の中に平気で入ってきてしまいそうな人だし、そうなると萃のいない日々が怖くなってしまいそうな気がしたからだ。あの人はそういう人だ。真夏の1、2週間は不思議だ。永遠に変わらないような陽射しの中で、いろんなことが進展していたりする。人の心や、出来事。そうしているうちに、秋が牙をといでいる。時間がたたないなんて錯覚だったというふうに、ある朝突然冷たい風や高い空で思い知る。 とにかく、目に見えないところで何かが進んでいた。萃はしょっちゅう電話をよこした。熱い日に彼女の声を聞いていると、耳の奥から心が腐って行くような感じがした。もう......
単語の意味
真夏(まなつ)
日差し・陽射し(ひざし)
永遠(えいえん・とわ)
真夏・・・夏の一番暑いころ。夏の盛り。
日差し・陽射し・・・大陽の光。日光。太陽が照りつけること。
永遠・・・ある状態が果てしなく続くこと。物事が変化しないこと。無窮(むきゅう)。永久(えいきゅう)。
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巡査の制服は一気に夏服になった
有島武郎 / 或る女
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