たまらないほどの無力感に支配されていった。どんなにあがいてみたところで何処にも行けやしないんだ、と思う。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:75% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
弱気・めげる・自信を失う
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......いがひどく辛かった。店に三日続けて通い、三日ともうまく切り出せなかった。話そうと試みるたびに喉がカラカラに乾き、それでビールを飲んだ。そしてそのまま飲みつづけ、たまらないほどの無力感に支配されていった。どんなにあがいてみたところで何処にも行けやしないんだ、と思う。 時計が十二時を指すと鼠はあきらめて、そして幾らかホッとして立ち上がり、いつものようにジェイにおやすみを言って店を出た。夜の風はもうすっかり冷え込んでいた。アパ......
単語の意味
堪らない(たまらない)
堪らない・・・気持ちを抑えられない。気持ちを抑えられないくらい、素晴らしく素敵。なんともいえないほど素晴らしい。「仕事のあとのビールは堪らない」
ここに意味を表示
弱気・めげる・自信を失うの表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まるで自信がなくなってしまう。ごみくずのような気がして来る。
林芙美子 / 新版 放浪記
針で風船を突いたように、気持ちが小さく現実へと萎む
連城 三紀彦 / 日曜日と九つの短篇 amazon
このカテゴリを全部見る
「その他の気分」カテゴリからランダム5
頭は暑気にあたったようにぼうっとしている
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
酒に酔って黄色く濁った日本人の眼
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
少量のワインで頬に赤みがさした水島の顔に、一種の幼さのようなものが漂っていて十和子は目が離せない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
その他の気分 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ