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生まれたばかりの赤ん坊が、人間というよりは、むしろ皮をむいた蛙 のように、大きな頭を重そうに動かしながら、醜い顔をしかめて、泣き立てている。うすい産毛 といい、細い手の指と言い、何一つ、嫌悪 と好奇心とを、同時にそそらないものはない。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:93% 作品を確認(青空文庫)
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赤ちゃん・赤ん坊
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前後の文章を含んだ引用
......、子を産みおったわ。」 平六は、梯子 をおりると、古被衣 にくるんだ、丸々としたものを、勢いよくともし火の下へ出して見せた。女の臭 いのする、うすよごれた布の中には、生まれたばかりの赤ん坊が、人間というよりは、むしろ皮をむいた蛙 のように、大きな頭を重そうに動かしながら、醜い顔をしかめて、泣き立てている。うすい産毛 といい、細い手の指と言い、何一つ、嫌悪 と好奇心とを、同時にそそらないものはない。――平六は、左右を見まわしながら、抱いている赤子を、ふり動かして、得意らしく、しゃべり立てた。 「上へ上がって見ると、阿濃め、窓の下へつっ伏したなり、死んだように......
単語の意味
好奇(こうき)
産毛・生毛(うぶげ)
蛙・蛤・蝦(かえる・かいる)
赤ん坊(あかんぼう)
好奇・・・珍しい物ごとやまだ知らないことに強い興味や関心を持つこと。また、そのさま。
産毛・生毛・・・1.生まれたときから生えている、赤ん坊の薄くて柔らかい毛。
2.1に似た、人の顔や首筋などに生えている、柔らかく薄く生えている毛。また、そのようなもの。
2.1に似た、人の顔や首筋などに生えている、柔らかく薄く生えている毛。また、そのようなもの。
蛙・蛤・蝦・・・両生類の一種。よく跳ねて、よく泳ぐ。体は短くて、首はなく胴と頭が連続しており、尾はない。後ろ足は大きくて、指には水かきがある。皮膚は湿り、色は多彩、種によっては変色する。変態し、幼生はオタマジャクシ。人間生活に身近な存在で、雨や田の神とする地域もあるなど伝承や俗信が多い。「かいる」は「かえる」の訛り。
赤ん坊・・・赤ん坊】生まれて間もない子供。また、おなかの中の子供。身体が赤みがかっているからいう。赤子(あかご)。赤ちゃん。
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赤ちゃん・赤ん坊の表現・描写・類語(若い・子供・青年のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(赤ん坊は)手首や肘や膝の関節には、そっと押し広げてみないではいられない気持にさせる、二重三重の柔らかい輪っかができ、手足はまるで世界の大きさを測るように、始終伸び縮みしている。
小川 洋子 / 口笛の上手な白雪姫「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
よちよち歩きの一歳児
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(一歳五か月の)リエくらいの歳の赤ん坊は、みんな不思議な匂いを持っている。それは、紙おむつのざらついた匂いと、離乳食のどろどろした匂いが混ざり合ったような匂いだ。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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赤ん坊がヽ二人とも蒲団の中にこれは馬鈴薯のように肥りかえって眠(ね)入っていた。
和田伝 / 和田伝全集 第2巻 amazon
ミヨは、生まれたときから、ひよわな赤んぼで、目ばかり大きく、小鳥のひなみたいでした。
小出 正吾 / 天使のとんでいる絵「小出正吾児童文学全集 (3)」に収録 amazon
この人はいつ見ても若い。房々した断髪をかしげて、しめっぽい瞳 を輝かしている。
林芙美子 / 新版 放浪記
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