(気配なく近づく人)気がつくと自分の五感が警戒する距離に迫ってきている。それが大胆なだけに、五感の警戒が一歩遅れてしまうのだ。そして慌てて警戒信号を発することになる。武内と接するときはそんな感覚が付きまとう。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:27% 作品を確認(amazon)
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人の気配
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前後の文章を含んだ引用
......タオルやトレーナーなど半乾きのものは部屋に吊るし、残りは畳んだ。 それにしても嫌な感じの男だな……畳んだタオルを重ねながら思う。 何がどうということではないが、気がつくと自分の五感が警戒する距離に迫ってきている。それが大胆なだけに、五感の警戒が一歩遅れてしまうのだ。そして慌てて警戒信号を発することになる。武内と接するときはそんな感覚が付きまとう。 義母の話からすると、親切な人らしいし、事実そうなのだろうが、その親切ぶりも雪見にはくどくて、何やら不快な湿り気を帯びているように思えてならない。 電話が鳴った......
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人の気配の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(侵入者の気配に気づく)二人が音も立てずに靴を脱いだ時、急に濃度の上がった空気に息苦しさを感じて目を覚ましたのだ。彼は、甘く重苦しい空気が垂れ幕のように胸に覆い被さるのに我慢できずに、水を飲もうと起き上がった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
尋恵は身体を凍りつかせた。 人の気配を部屋の中に感じた。 まさか……そう思い、背中を撫でる空気の動きの正体を見極める。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
ほんの毛筋ほど離れた気配
永井 路子 / うたかたの amazon
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「人の印象」カテゴリからランダム5
「ありたけの魂をすっかり投げ出して、どうでもして下さいと言いたくなるような寂しさですね」
岡本かの子 / 東海道五十三次
何本もの管を体に通され、その身はベッドに囚われて
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
巣箱に群がる蜂のように大勢の人間が行き交う
ロナルド・マンソン / ファン・メイル (上) amazon
「雰囲気・空気」カテゴリからランダム5
社内会議にはしらっとした空気が流れていた。それは江原や迫田ら、若手社員たちが入ってきたときの、よそよそしい態度と冷ややかな表情を見たときから、佃の胸の内に広がりはじめた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
(閉店後のバー)換気装置やエア・コンの音も消えている。長い年月をかけて床や壁に浸みこんだ匂いだけが微かに空気の中に漂っていた。 《…略…》客席の空気は暗がりの中で幾つかの層にわかれたまま淀んでいるようだった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
底知れぬ冷やかな、厳粛な感じが、頻 りに首すじの処へ襲いかかって、全身がゾクゾクして来るのを我慢する事が出来なかった。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
澄んだ空気が冷たい水のように張りつめる
黒井 千次 / 群棲 amazon
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