僕はホテルのベッドに横になって受話器を持ったまま天井を眺めていた。海の底に寝転んで魚の影を数えているみたいな気分だった。いったい何匹数えれば数え終ったことになるのか見当もつかなかった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:29% 作品を確認(amazon)
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体を横たえる
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......言った。「私にだってわからないわ。もういろんなことは終っちゃったんでしょ? それともまだ終ってないの?」 僕にもそれはわからなかった。わからない、と僕は言った。僕はホテルのベッドに横になって受話器を持ったまま天井を眺めていた。海の底に寝転んで魚の影を数えているみたいな気分だった。いったい何匹数えれば数え終ったことになるのか見当もつかなかった。「あの人がどこかに消えちゃったのが五年前、私はその時二十七だったわ」とても穏やかな声だったけれど、まるで井戸の底から響いてくるように聞こえた。「五年たてばいろん......
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体を横たえるの表現・描写・類語(姿勢・ポーズのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(寝ている漁夫たちの)南瓜 のようにゴロゴロしている頭
小林多喜二 / 蟹工船
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停車駅で席が空くとものすごい早い身のこなしで座り、梃子でも動かぬと決めたようにぎゅっと固めた上半身を丸めうつむく。たとえ前に老人や妊婦が立っても気づかぬフリをとおせる姿勢で、武道の型の如き気迫を漂わせてもいる。
羽田 圭介 / スクラップ・アンド・ビルド amazon
体中の関節をきしませるように小さくなって木戸をくぐる
有吉 佐和子 / 三婆 amazon
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身体が綿のようになって昏睡病 にかかったような心持ちがした
夏目漱石 / 吾輩は猫である
私は他人のように抱きしめてみた
林芙美子 / 新版 放浪記
本当だろうか。夢でもみているような奇妙な感覚に捉われる。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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