寺町通りの村上開新堂の店構えのよさは、 「まったく、たまらない」 と、いいたくなってしまう。 これぞ、日本のよき時代の具現といってよい。
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:44% 作品を確認(amazon)
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古い建物の佇まい
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前後の文章を含んだ引用
......五郎という、私にとっては夢を見ているような秋山小兵衛を、舞台に出せることになったのだった。 まさに秋山小兵衛、そのものだったといってよかった。 ところで……。 寺町通りの村上開新堂の店構えのよさは、「まったく、たまらない」 と、いいたくなってしまう。 これぞ、日本のよき時代の具現といってよい。 つつましやかな、タイル張りの三階家で、ウインドーの腰張りは大理石だ。 前を通りかかって、注文をしていなかったのに、店の中へ入り、「好事福盧、残っていますか?」......
単語の意味
堪らない(たまらない)
堪らない・・・気持ちを抑えられない。気持ちを抑えられないくらい、素晴らしく素敵。なんともいえないほど素晴らしい。「仕事のあとのビールは堪らない」
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古い建物の佇まいの表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
戦災に焼け残った店がかたまっていて、町そのものも、むかしの東京の面影を色濃くとどめている。
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
(古マンション)風も通らず陽も当たらず、一年じゅう梅雨どきのように 暗鬱 な感じがするのは、自分が 徒 らに齢を食ったせいではあるまい。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
戦前の品川へ、二度ほど足を運んだことがあるが、貸座敷(遊女屋)、料理屋、茶屋などが軒を連ね、江戸時代の繁昌ぶりが、まだ名残りをとどめていた。 大正の大震災にも、昭和の戦災にも品川は焼け残ったので、十数年前に久しぶりで、ゆっくりと品川を歩いたときも、大きな宿場町の微かな匂いが、裏道にただよっていた
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「家・建物」カテゴリからランダム5
ほんの小さな街だ。港からの帰り、国道を車で飛ばす時には煙草は吸わないことにしている。マッチをすり終るころには車はもう街を通りすぎているからだ。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
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