街の四ツ角で、まるで他人よりも冷やかに、私も男も別れてしまった。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:10% 作品を確認(青空文庫)
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失恋・恋人と別れる
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......てると、動坂 の町へ出て行った。誰も彼も握手をしましょう、ワンタンの屋台に首をつっこんで、まず支那酒をかたぶけて、私は味気ない男の旅愁を吐き捨てた。 (四月×日) 街の四ツ角で、まるで他人よりも冷やかに、私も男も別れてしまった。男は市民座と云う小さい素人劇団をつくっていて、滝ノ川の稽古場に毎日通っているのだ。 私も今日から通いでお勤めだ。男に食わしてもらう事は、泥を噛んでいるよりも辛い......
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失恋・恋人と別れるの表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
奈世のいなくなった部屋は、もともとは僕が一人で住んでいたにもかかわらず、妙にがらんとして、彼女のぬけがらがそこらじゅうに落ちている、雑然とした状態だった。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
手に入れてすらいないうちに彼を失いつつある。告白してふられたとか彼に彼女ができたとか彼に幻滅したわけでもない、ただ、恋が死んだ。ライフワーク化していた永遠に続きそうな片思いに賞味期限がきた。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
その恋愛は、私との愛情がまだ終りをつげないうちにほろんで亡くなってしまいました。
林芙美子 / 新版 放浪記
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過ぎて、振り返って、ああ懐かしいねなんて思い出の一コマになる恋じゃなくて、何年たっても、何十年たっても疼くような、タトゥみたいに、引き攣れた傷痕みたいに、ずっとずっと残ってしまって、決して消せなくて、疼き続ける恋がしたい。さらさらと流れてゆくのではなく、身体に刻み込まれてしまう恋をするんだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
ソファクッションに無理やりふたりで座っていると、自然に、尾崎はあたしに触れてくる。シャワーを浴びる前のリハーサルのようなこの時間が、あたしは好きだ。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
魚の様にもつれあっている
林芙美子 / 新版 放浪記
太陽のように捕え得ず、しかも、四時明るく、暖かく、ふれる心を生かす愛
宮本百合子 / 伸子
口に押し込んだそれは、溶けたガムに似たような感触だった。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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